「仕舞ったな…」
ティエリアは眉をひそめて、ぽつりと呟いた。
「傘を忘れたか。」
ティエリアの呟きのすぐ後に、空から雨が降って来た。
「ん?」
ざーざーという音が聞こえて、ハレルヤは立ち上がった。
窓へ近付いて、少しだけ開けてみる。
「おー…雨か。」
「雨か。じゃないよ、ハレルヤ!洗濯物濡れちゃう!!手伝って!!」
今日の予報は晴れだったのにー!と叫びつつ、アレルヤは外に飛び出す。
ハレルヤはそれを無言で見送って、ニヤリと笑った。
「ひとりで頑張れや。…俺は傘でも持ってってやるかね。」
めんどくせぇ。と言いながら、ハレルヤはテーブルに放置しておいた携帯を手に取った。
案の定、三男からのメールが来ている。
「おーおー。可愛くねぇの。傘を持ってこい。って、命令型かよ。」
多少イラッときたが、そこはなんとか押さえて、ハレルヤは玄関へ向かう。
そこには、思いがけない者がいた。
「あん?餓鬼、何してんだ。」
「………雨。」
「雨がどうした。」
「眼鏡。」
「ティエリアか?……あぁ、そういう事な。…一緒に行くか?」
ハレルヤの言葉に悩むそぶりを見せたが、刹那は小さく頷いた。
「…来たか。」
ティエリアは読んでいた本を閉じて、立ち上がった。
「ティエリア!傘持ってきてやったぞ、オラァ!!」
ハレルヤの乱暴な物言いに、まわりが少しざわつくが、そこは気にしない。
というか、慣れた。
「……刹那?」
「あ?あぁ、着いて来るってぇから、一緒に来たんだよ。」
「…ん。」
ずいっと傘を差し出されて、ティエリアは無言で受け取った。
傘を差し出したその手は。
小さくて、あたたかかった。
後書き
後数話で小学校編に入りたいなー。って思ってます。
たまに話無しの日とかありますが、ご容赦下さい。